チェーンのたるみを解消しよう!
こんにちはchessinuです。
突然ですが、バイクのチェーンは大きく分けると以下の2種類があります。
- シールチェーン
- ノンシールチェーン
新車で購入したスーパーカブ110(JA44)のチェーンは、オプションなどで交換していない限り「ノンシールチェーン」を使用しています。
そしてこのノンシールチェーンは、シールチェーンと比較して耐久性や強度が弱く
とにかく伸びやすい!らしい…。
なので定期的に「チェーンの調整」をしなくてはいけないようですが、自分でやらずにバイクショップなどへ持ち込んだ場合は、おそらく費用として「数千円」はかかります。
しかもチェーン調整してもらったところで、結局ノンシールチェーンなのですぐにまた伸びてしまい、確実にお金の無駄ムダむだ!
ということで今回は色々と調べてみて、実際に自分で行ったチェーン調整方法を紹介していきます。
チェーンの調整作業に必要な道具
スーパーカブ110(JA44)のチェーンを調整するのに使用した道具は以下の物になります。
- 10mmスパナ
- 12mmスパナ
- 14mmメガネレンチ
- 19mmメガネレンチ
- ノギス
- トルクレンチ
道具の紹介
それぞれの道具について簡単に紹介していきます。
10mmスパナ
10mmスパナを使用して「ロックナット」を調整します。
また「チェーンカバー」を留めている、4つのネジを外す際にも使用します。
12mmスパナ
12mmスパナを使用して「アジャストナット」を調整します。
14mmメガネレンチ
14mmメガネレンチを使用して「リヤアクスルシャフト」を動かないように固定します。
19mmメガネレンチ
19mmメガネレンチを使用して「アクスルナット」を動かします。
ノギス
チェーンの最大振幅を25mmに調整する時に使用します。
ちなみにこちらのノギスは某100円均一で売っていた簡易ノギスですが、チェーンの調整に利用する目的では十分でした。
トルクレンチについて
これから行っていくチェーンを調整する作業の終盤に、アクスルナットをHONDA側で指定されている締め付けトルク「59N・m(ニュートンメートル)」で締める作業があります。
この時に使用する工具が「トルクレンチ」になります。
トルクレンチを使用せずに「感覚」や「目印」を頼りに締めることも可能といえば可能ですが、それは作業に手慣れた人がやることであり、自分のような整備初心者には必須のアイテムだと思います。
まぁチェーン調整以外の作業でもトルクレンチは大活躍するので、必ず1本は持っていた方が良いです。
またトルクレンチの「使用方法、および正しい保管方法や注意点」に関してこちらの記事で詳しく紹介しています。意外と間違えた使用方法で作業をしている方も多いので、ぜひ合わせて参考にしてみてください!
問題点
それでスーパーカブの場合は純正のマフラーが絶妙に「邪魔な位置」にあるため、トルクレンチ単体ではアクスルナットの締め付けに使用ができない可能性が高いです。
なので他の工具と組み合わせて作業をする必要があります。ただし、それでもやはり作業自体はやりづらく、工具をぶつけてマフラーの塗装が剥がれてしまいましたoh…(´Д`;)ナンテコッタ
まぁ一番手っ取り早くて簡単な方法は、マフラー自体を干渉しない他社製の物に取り替えることですね。(もしくわ伸びにくいシールチェーンに替えるとか)
それで最近新しいマフラーを購入したので、今度取り付け方法などを紹介した記事を上げる予定です。
追記
早速マフラーを交換してみました!
マフラー周りがスッキリしたので、作業がやりやすくなりました。
マフラーの交換方法を紹介した記事を書きましたので、よろしければ合わせて参考にしてみてください!
トルクアダプター
解決手段の1つとして「トルクアダプター」という工具を組み合わせる方法があります。
トルクレンチにこの様に取り付けて使用します。
ただしトルクアダプターを取り付けるとトルクレンチ全体の長さが変わるため、計算で補正値を出す必要があります。
それでこの式を利用して計算してみると補正値は「約50N・m」となりましたので、その数値に目盛りを合わせて使用します。
エクステンションバー
解決手段の2つ目として「エクステンションバー」という工具を組み合わせる方法があります。
このエクステンションバーをトルクレンチにこの様に取り付け、更にエクステンションバーの先に19mmソケットを取り付けて使用します。
こちらを利用する場合は指定値通りの締め付けトルク「59N・m」に目盛りを合わせます。
どちらでも好きな方法で行ってみてください。
チェーン調整の作業工程
それでは実際の、チェーンの調整の作業工程は以下の様になります。
まぁざっくり言うと、チェーンを調整するのに必要なナットを緩めてチェーンを調整し、そのあと緩めたナットを締め、最後にリアブレーキを調整して終了っていう感じです。
手順
- チェーンケースを取り外す
- アクスルナットを緩める
- ロックナットを緩める
- アジャストナットを動かしチェーンの張りを調整
- アクスルナットを締める
- ロックナットを締める
- リアブレーキの調整
チェーンケースを取り外す
それではまず作業を始める前に、ギアを「ニュートラル(N)」に入れた状態でエンジンを切り、センタースタンドをかけた状態にします。
そしてドライブチェーンを保護しているチェーンケースを「10mmスパナ(レンチ)」を使用して外していきます。
チェーンケースを取り外すには、全部で4つのボルトを外す必要があります。ちなみにこのボルトの締め付けトルクは「7N・m」ですが、正直ここに関しては適度な強さで締め付けておけば特に問題ないです。
なおここでは「10mmスパナ」の代わりに、チェーンケースの取り外し作業が一番楽に出来る「10mm六角ソケットレンチ」を使用します。
もちろん10mmスパナでも作業はできます。
ちなみにチェーンケースに付いている黒いゴムを外すと、中のチェーンの様子が見ることが出来ます。
これを利用して「チェーンの弛みや緩みを確認する」みたいな事がマニュアルに書いてありますが、はっきり言って分かりにく過ぎる…
しかもここのゴムは一度外すとかなり元に戻しにくいので、こんな事をしているぐらいなら普通にチェーンカバーをササッと外して緩みを確認した方が、どう考えても早いし正確です。
なのでこの箇所は購入した時に一度外して以来、一切使用していません。
ナットの緩め作業
アクスルナットを緩める
緩める時の注意点です。
作業の最後にアクスル(=車軸)ナットを締めるのですが、その時に初期状態の締め付けトルク「約59N・m (ニュートンメートル)」で締め終える必要があります。
そしてこのトルクを計測するには先程紹介した「トルクレンチ」という工具が必要になります
なのでトルクレンチを持っていない場合には、最後にアクスルナットを締め終える際、元々の締め付けトルク「約59N・m」にする目安が欲しいので以下の様な作業を行う必要があります。
- アクスルナットとスイングアームの所に、マジックなどでスタートの目印をつけておく
- どれぐらい回したのかを覚えておく
- 初期状態の締め付けの強さを、手の感覚で何となく覚えておく(手ルク)
まぁただトルクを一切気にせずに、事前に初期状態の締め付けトルクを手の感覚(通称 “手ルク”)で覚えておき締めてる人もたくさんいます。
別に極端に強く(弱く)締め付けたりしなければ特に問題はないと思います。
作業再開!
それでは気を取り直して作業を再開します。
チェーンケースを取り外したら、「リヤアクスルシャフト」を14mmメガネレンチで動かないよう固定します。
それと同時に、「アクスルナット」を19mmメガネレンチで反時計回りに動かし緩めていきます。ちなみに作業をする際には、マフラーにタオルか何かを掛けておくと、工具がぶつかっても傷つきにくくなります。
そしてアスクルナットを緩めると、反対側のリヤアクスルシャフトも一緒に緩まります。
また緩め具合に関しては、リヤアクスルシャフトを手で回して軽く動く程度で大丈夫です。
ロックナットを緩める
アクスルナットを緩めたら、次は「マフラー側」と「チェーン側」の両方のロックナットを、10mmスパナで緩めます。
ここはダブルナット方式を採用しているので、アジャストナットを12mmスパナで抑えて固定しながら、ロックナットを10mmスパナで反時計回りに動かして緩めます。
ちなみにダブルナット方式はロックナットがあることによって、アジャストナットが走行中の振動などで緩むのを防ぐ効果があるそうです。
つまりロックナットとは、内側のアジャストナットを動かないように”ロック”するって意味なんでしょう。(Maybe)
アジャストナットを動かしチェーンの張りを調整
- 時計回りに動かすとチェーンは締まる
- 「チェーン側とマフラー側」の目盛りを合わせる
ロックナットを緩めたら、チェーン側のアジャストナットを動かしてチェーンの張りを調整します。
締める時にはアジャストナットを時計回りに動かして調整します。
締めすぎた場合にはアジャストナットを反時計回りに動かした後、後輪タイヤを前方に動かしてチェーンを緩めます。
まぁ手でやらなくても、後ろからタイヤを蹴飛ばしてやればいいと思います。
実際に調整をしていく
正規のマニュアル通り、チェーンは「最大振幅25mm」に設定します。
そこで使用するのが、100円均一で購入した「ノギス」です。これを25mmに開きます。
チェーンの最大振幅が25mmになるように、「チェーン側」のアジャストナットを回転させて調整します。
そして「チェーン側」のアジャストナットを調整し終えたら、ひとまず「チェーン側のスイングアームにある目盛り」を確認します。
次に「マフラー側」のアジャストナットを回転させ、「マフラー側のスイングアームにある目盛り」を「チェーン側のスイングアームにある目盛り」と同じ位置に来るように調整します。
画像では少し分かりにくいかも知れませんが、5本ぐらいの縦線が目盛りとして「チェーン側とマフラー側のスイングアーム」にそれぞれ同じ様に引いてあります。
実際に現物を確認すればすぐに分かると思います。
それで何でこんな事をするのかというと、リヤアクスルシャフトとアクスルナットはタイヤの中心を通して繋がっているからです。
繋がっているというか、リヤアクスルシャフトの先の部分をアクスルナットで留めています。まぁ要は一本の棒なんです。
なので両側の目盛りを同じ位置に調整しないと、リヤアクスルシャフトが真っ直ぐ?にならず、タイヤが左右斜め方向になって危ないんです。(ハンドルが取られたりして)
なので調整し終えたら、後ろからリアタイヤを眺めてちゃんと真っ直ぐ方向になっているのかを確認してください。
ここら辺に関しては言葉で説明するのが難しいのですが、実際に自分でリアホイールなどを取り外してみたり、または目盛りを意図的に大きくずらして後ろから観察すると分かりやすいと思います。
問題点
それで話は戻り、チェーンの最大振幅を25mmに調整し、左右の目盛りも合わせ終えました。
ただしせっかくぴったり25mmに調整しても、「アクスルナット」を締める際に若干チェーンが張ってしまい、最大振幅が調整した25mmより小さくなってしまいます。
なのでそれを防ぐためにリアスプロケットとチェーンの間(噛み合う場所)に、ドライバーやウエスなどを挟みます。
そしてその状態で後輪タイヤを前進方向(反時計回り)にゆっくりと動かし、ドライバーなどを食い込ませてやると良いそうです。
これは結構昔からある豆知識らしいので、そういうものだと思っておけば良いと思います。(何やらチェーンアジャスターの遊びが関係あるとかないとか…)
挟むのが面倒くさい場合はチェーンが締まるのを見越し、あらかじめ少し緩めに調整しておくというのも一つの方法だと思います。
ちなみに自分は適当にソケットレンチを挟んでみました。この知識を次の項目で使用します。
ナットの締め作業
アクスルナットを締める
まずアクスルナットを締める前に、タイヤを時計・反時計周りに何度か回転させます。
それで特に違和感や異音がないようでしたら、先程紹介したようにドライバーやレンチなどを「スプロケ」と「チェーン」の間に挟みます。
そして最初に緩めた時と同じ様に14mmのメガネレンチでリヤアクスルシャフトを動かないように固定し、19mmのメガネレンチでアクスルナットを時計回りに動かして締めていきます。
ある程度メガネレンチで締めたら、最後の締めにトルクレンチを使用します。
HONDA側の指定締め付けトルク値は「59N・m (ニュートンメートル)」ですが、今回は工具の項目で紹介したトルクアダプターをトルクレンチに取り付けて締めるので「50N・m」にセットして使用します。
「カチッ」と音が鳴ったら締め付けるのを止めます。
トルクレンチを持っていない方は、最初に付けた目印などを頼りにして締めてください。
まぁそこまで神経質にならなくても良いと思いますが、極端な強弱の締め方はしないように注意しましょう。
ロックナットを締める
それでは最後に調整したアジャストナットが、走行中の振動などで動かないように両側のロックナットを締めて抑えます。
リアブレーキの調整
スプロケット取り付け作業が終わったら「リアブレーキの調整作業」も行いましょう。
リアブレーキペダルを踏んだ時の遊び幅が「20mm~30mm」になるように、手または14mmスパナを使用して調整をします。
リアブレーキ調整ナットを時計回りに動かすと遊び幅が狭くなり、反時計回りに動かすと遊び幅が広くなります。
以上で「チェーンの調整作業」は無事終了となります。
ちなみにチェーンの調整方法を知っていれば「スプロケットの交換作業」もすぐに出来ますので、ぜひこちらも合わせて参考にしてみてください!
終わりに
日常的に行うバイクのメンテンス作業は色々とありますが、その中でもチェーンの調整は少し面倒くさいと感じました。
ただ今回は色々と調べながら初めて作業を行ったということもあるので、次回以降からは割とスムーズにドライブチェーンの調整ができそうな感じはします。
もしくわ、いっそのこと伸びにくい「シールチェーン」にしてしまおうかと画策中です(笑)
なのでもしシールチェーンに交換した場合は、別の記事にてその方法を紹介したいと思います。
それでは以上で、「スーパーカブ110(JA44)のドライブチェーンの調整」に関する記事は終わりとなります。
また別の記事でお会いしましょう!
さようなら~
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