簡単な作業で大きな変化!?
こんにちはchessinuです。
スーパーカブ110(JA44)を購入してから約半年程度が経ちましたが、日常的な買い物や街乗り程度では特に不満もなく、むしろとても便利でスーパーカブを購入して良かったと思います。
ただ休みの日にツーリングなどの長距離運転をしている時、ふと「もう少しだけスピードが出たらなぁ…」なんて思うこともしばしばあったりします。
しかしスピードを上げると言っても、例えば排気量を上げる「ボアアップ」などが考えられますが、正直そこまではしたくない…(と言いつつも少し勉強をしてみたり)
なので他の方法を色々と調べてみると、スプロケットを交換することにより、スピード(最高速)を上げることが出来るとの情報を発見!
ということで今回の記事では、スーパーカブ110(JA44)のスプロケットを「14T」から「15T」に交換する作業方法について紹介していきます。
スプロケットに関する知識
それではまず始めに、スプロケットに関して簡単に紹介します。
スプロケットには以下の2種類があります。
- ドライブスプロケット
- フロント(エンジン)側に取り付ける
- ドリブンスプロケット
- リア(リアホイール)側に取り付ける
スプロケットの働きについて
そしてスプロケットの働きについてですが、エンジンから作り出された動力がドライブスプロケットに伝わり、それがドライブチェーンを通してドリブンスプロケットまで伝わることで、タイヤが回転して走行しています。
またスプロケット(sprockets )は日本語で「歯車」という意味を持ち、「歯の数」によって走行性能に違いが出てきます。(14TのTは「Teeth」という意味です)
ざっくりとですが歯数の違いによる性能(特性)を調べてみたところ、以下の様になるらしいです。
ドライブスプロケット | ドリブンスプロケット | |
歯の数を増やす | 最高速が上がり、加速が落ちる | 最高速が下がり、加速が上がる |
歯の数を減らす | 最高速が下がり、加速が上がる | 最高速が上がり、加速が下がる |
(★スマホ閲覧の方は横にスクロールしてください)
いや~面白いですねぇ。
また、こんな特性もあるそうです。
「ドライブスプロケット1Tの変更」
||
「ドリブンスプロケット3Tの変更」
ということはつまり、ドライブスプロケットの歯数を「1T」変更するだけでも、走行性能にかなり大きな違いが出てくるようです。
裏を返せばドリブンスプロケットだけを「1T」変更しても、大して走行性能に違いは出ないということでもあるんですね。
このドライブ&ドリブンスプロケットの組み合わせを、色々と変えて試してみるのも面白そうではあります。
ちなみにスーパーカブ110(JA44)の工場出荷初期状態のスプロケは、ドライブスプロケットが「14T」でドリブンスプロケットが「35T」です。
スーパーカブに使用できるスプロケット
スーパーカブ110(JA44)に対して、どのスプロケットでも使用できるわけではなく、きちんと規格や仕様に合わせて選ぶ必要があります。
スーパーカブ110(JA44)は428サイズのチェーンを使用しているので、取り付けるスプロケットも「428サイズ」に対応している必要があります。
結論
ということで色々と考えた結果、今回のスプロケット交換作業では最高速が伸びてほしいので、「15T」の「ドライブスプロケット」を取り付けることにしました。
とりあえず今回はドライブスプロケットだけを「14T」→「15T」に交換して乗り心地の変化を試した後に、今度はリア側のドリブンスプロケットを交換してみたいと思います。
まぁ基本的にフロントとリアのスプロケは同時に交換した方が良いとは思いますが。
追記
ということで宣言通り、後日「ドリブンスプロケット」も交換しました。そもそもスプロケット自体消耗品なので、いずれ必ず交換しなくてはいけませんからね。
そして実際に作業をした感想としては、思っていたよりも割と簡単に交換できました!
ぜひ皆さんもドライブスプロケットの交換を終えたら、ドリブンスプロケットの交換作業も行ってみてください。
理想の「減速比」を考えながら歯数を組み合わせ、そして走行してみるのもまた一興です。
「ドリブンスプロケットの交換方法」を紹介した記事を書きましたので、合わせてこちらも参考にしてみてください!
ちなみにスーパーカブの「パンク修理方法」について紹介した記事もあります!
スプロケット交換に使用する道具
スーパーカブ110(JA44)のスプロケットを交換する作業で使用した道具について紹介します。
正直なところ、「スプロケット」と「チェーンガイド」を用意するよりも、取り付けるのに必要な「工具類」を集める方が大変でした。
実際の作業では、色々なボルトやナットを緩めたり締めたりする必要がありますので…
ただし一度買い集めてしまえば、今後もずっと壊れるまでは利用できるので無駄にはなりません!
- ドライブスプロケット(15T / 428サイズ)
- チェーン(スプロケ)ガイドプレート
- 工具類
ドライブスプロケット(15T)&チェーンガイドプレート
今回の交換作業で使用したスプロケットは、キタコ製のドライブスプロケット(15T/428サイズ)です。
スーパーカブ110(JA44)のスプロケットは、購入時の初期状態では「14T」のスプロケットを装備しています。
ドライブスプロケットを大きいサイズに交換して走行すると、スプロケが内部で純正のチェーンガイドプレートに接触する恐れがあります。
チェーンガイドプレートについて
「ん…?ところでチェーンガイドプレートって何?」って思いますよね。後で出てきますが、スプロケットカバーと一緒に取り付けられている部品です。
自分もこの部品の役割的なことがよく分からなかったので、ググって調べてみたところ「スプロケからチェーンが外れるのを防ぐため」や「チェーンが外れた時に周りのパーツの保護目的」とのことです。
ただ下の画像を見て分かるとおり、スプロケを「15T」に変えると純正品のチェーンガイドプレートでは「接触」してしまいます。
実際に「14T」と「15T」のそれぞれのチェーンガイドプレートを並べて比較すると分かりやすいです。(左が14T、右が15T)
このように15Tのチェーンガイドプレートの方が「スリム」なので接触する心配はありません。
なのでドライブスプロケットを交換する際には、それに対応しているチェーンガイドプレートと一緒に交換する必要があります。
それで今回自分が使用したチェーンガイドプレートは、スプロケットと同じメーカーのキタコ製の物です。
やはり「スプロケ」も「チェーンガイドプレート」も同じメーカーで揃えた方が無難だと思います。
そして実際にスプロケ&チェーンガイドプレートを交換してから約500km程度走行しましたが、今のところ何も「トラブル」は起きておらず快適に走行できています。
ちなみにメーカーによって「チェーンガイドプレート」と呼んだり「スプロケットガードプレート」と呼んだりしていますが、呼び方が違うだけで同じパーツです。(正直ややこしい…)
なお、自分が購入して記事内で使用している「スプロケット」はこちらの製品です。Amazonの場合はチェーンガイドプレートも付属している「セット買いタイプ」になっています。
工具類
スプロケットを取り付けるのに使用した工具類について紹介をします。
先程述べたとおり、スプロケットを交換するには「チェーンの調整」も同時に行わなければならないので、必要な工具数は自然と多くなってしまいます。
ただ「100円均一ショップ」や「中古工具販売店」などで、安く揃えられる工具もあるのでそちらを利用してみてください。特に100円均一ショップで売っている、サイズに合わせて頭を付け替えて使用するソケットレンチはとても便利です。
ちなみにここで紹介しているのと同じ工具でなくても全然構わないので、自分の使いやすいと思う工具を使用してください。あくまでもこれは自分が使用した工具なので参考までに。
チェーンの調整で使用
- ノギスまたは定規
- チェーンの最大振幅を約25mmに調整
- 10mmスパナ
- チェーンカバーの取り付け&取り外し
- ロックナットの調整
- 12mmスパナ
- アジャストナットの調整
- 14mmメガネレンチ
- チェーン側のアクスルナットの調整
- 19mmメガネレンチ
- マフラー側のアクスルナットの調整
スプロケットの交換で使用
- 8mm六角ソケットレンチ
- スプロケットカバーの取り付け&取り外し
- 10mm六角ソケットレンチ
- フィキシングプレートの取り付け&取り外し
- 12mm六角ソケットレンチ
- ピボットカバーの取り付け&取り外し
- 14mm六角ソケットレンチ
- ピボットカバーの取り付け&取り外し
オススメの工具
今回は「100円均一ショップ」や「中古工具店」を利用して工具を集めましたが、まぁ正直な所、ちゃんとした工具を一式揃えた方が今後作業をする上では確実に良いと思います。
特に「ラチェットレンチ(ハンドル)」と「ソケットセット」に関しては、スプロケットの交換だけではなくメンテンス・取り付け作業全般で活躍するので、個人的には必ず持っておいた方が良いと考えます。
ラチェットレンチでもヘッド部分が回転する「スイベルタイプ」が使いやすくて便利です。
持っていた方が良い工具
「必ず持っていなければいけない」というわけではないのですが、持っておいた方が絶対に良いと思う工具が「トルクレンチ」です。
トルクレンチはホンダ側から指定されている「締め付けトルク(N・m)」でボルトやネジを締める時に使用します。
まぁ無ければ手の感覚で締めても良いのですが、出来るだけ指定されている「締め付けトルク」で正確に締めた方がいいと思います。
ちなみにこのトルクレンチは対応しているトルク幅が「7~112N・m」とかなり広く、スーパーカブはもちろんのこと、自家用車などその他のメンテンス作業においても色々と活用できるので気に入っています。
なおこの記事では「ドライブスプロケットボルト」と「スプロケットカバー」、および「ピボットカバー」を取り付ける際に使用しました。
またトルクレンチの「使用方法、および正しい保管方法や注意点」に関してこちらの記事で詳しく紹介しています。意外と間違えた使用方法で作業をしている方も多いので、ぜひ合わせて参考にしてみてください!
スーパーカブのスプロケットを交換する作業手順
それでは実際の作業の流れについて紹介します。
ここではわかりやすいように敢えて作業工程を細かく分けて書いているので、見た目上ではやることが多い様に感じると思います。
ただ初めての方でも事前に知識があれば、約1時間程の作業で取り付けられるかと思います。
むしろ初めて作業を行う場合は、スプロケット本体の取り付けよりも「チェーンの調整作業」の方がメンドクサイと思うかも知れません。裏を返せば、チェーン調整のやり方を知っていれば速攻で作業が終わります。
手順
- チェーンカバーを外す
- ピボットカバーを外す
- スプロケットカバーを外す
- ドライブチェーンを緩ませる
- スプロケットを交換する
スプロケット交換作業~前編~
スーパーカブ110(JA44)のスプロケットを交換するためには、以下のカバーを取り外していく必要があります。
- チェーンカバー
- ピボットカバー
- スプロケットカバー
チェーンカバーを取り外す
それではまず作業を始める前に、ギアを「ニュートラル(N)」に入れた状態でエンジンを切り、センタースタンドをかけた状態にしておきます。
そしてドライブチェーンを保護している、チェーンカバーを取り外していきます。
チェーンカバーを外す理由としては、後でスプロケットを交換する際にドライブチェーンを緩める必要があるからです。
なので先に他のカバーを外しても良いのですが、ここではこの順番で行っていきます。
チェーンカバーを留めている4つのボルト(締め付けトルク 7N・m)を「10mm六角ソケットレンチ」で外していきます。
ピボットカバーを取り外す
ピボットカバーを取り外さないと、他の作業がやり難いので外す必要があります。
上の大きいナット(締め付けトルク 39N・m)は14mmの「六角ソケットレンチ」や「T型レンチ」または「ラチェットレンチ」など、お好きな工具で外してください。
ただしこのナットはかなり固く締めてあるので、出来るだけ力の入りやすいタイプの工具を使用したほうが良いと思います。
順番はどちらが先でも構いませんが、ここでは上を取り外してから下を取り外します。
下の小さいボルト(締め付けトルク 27N・m)は「12mm六角ソケットレンチ」で外します。
スプロケットカバーを取り外す
そして最後に、スプロケット部分を保護しているスプロケットカバーを取り外します。
こちらは「8mm六角ソケットレンチ」を使用し、2つのボルト(締め付けトルク 12N・m )を取り外します。
スプロケットカバーを取り外すと、中はこの様になっています。
またスプロケットカバー内側には凄いオイル汚れが…これは洗わないと駄目ですね。
パーツクリーナーを使用して掃除しておきます。
ちなみに掃除に使用するパーツクリーナーは、「プラスチック」や「ゴム」に対応しているタイプの製品が良いと思います。
スプロケット交換作業~後編~
ドライブチェーンを緩ませる
元々取り付けてあるスプロケットを取り外すためには、ドライブチェーンを緩ませます。
ただしドライブチェーンを緩ませるには、「アクスルナット」や「アジャストナット」を弄ってチェーンを調整する必要があります。
スーパーカブの「チェーンの調整方法」に関しては、こちらの記事で詳しくやり方を紹介していますので参考にしてみてください。
スプロケットを交換する
それではチェーンを緩めたら、元々取り付けてあった「14T」のスプロケットを取り外して、「15T」のスプロケットに交換をしていきます。
まず「10mm六角ソケットレンチ」でドライブスプロケットボルトを2つ取り外します。
なおギアを「N」にしたままだとクルクルと後輪が回転(空転)してドライブスプロケットボルトが取り外しにくいので、「N」以外のポジションにした状態にしておいてください。
次にフィキシングプレートを手前に引いて取り外します。
そして取り付けてあった「14T」のスプロケットを取り外します。
チェーンの緩みが足りずに取り外せない場合は、再度アジャストナットを調整して緩めてください。
取り外すとこの様になっています。少し汚いので、先ほど紹介した「パーツクリーナー」を染み込ませたウエスで拭き取っておきます。
とても綺麗になりました。う~ん気持ちが良い!
それでは早速「15T」のスプロケットを取り付けていきます。
並べてみるとよく分かりますが、これから取り付ける左側の「15T」のスプロケットの方が一回り大きいですね。
チェーンとスプロケットの歯をうまく合わせて取り付けます。
なおスプロケットには「表と裏」が有るので取り付けの際、間違えないように気を付けてください。キタコ製のドライブスプロケットの場合、「ツルツルの面が表側」で「ザグリ加工してある面がエンジン側(裏側)」になります。
いったんスプロケットをこの様に取り付けます。
スプロケットを奥にしたままだと、フィキシングプレートのボルトの穴と合いません。なのでフィキシングプレートを取り付ける際に、スプロケットを手前の溝まで持ってきて取り付けます。
ちなみにこのドライブスプロケットボルトの締め付けトルクは「12N・m」なので、トルクレンチをその値にセットして締めます。
カチッと音が鳴ったら締め付け完了です。
そしてスプロケットカバーに、付属のチェーン(スプロケット)ガードを取り付けます。
あとは取り外した時と逆の手順で取り付けた後、ドライブチェーンの張りの調整をして終わりとなります。
ちなみにスプロケットカバーやピボットカバーも締め付けトルクが指定されているので、こちらもトルクレンチを使用して締めておきます。
リアブレーキの調整
スプロケット取り付け作業が終わったら「リアブレーキの調整作業」も行いましょう。
リアブレーキペダルを踏んだ時の遊び幅が「20mm~30mm」になるように、手または14mmスパナを使用してリアブレーキ調整ナットを調節します。
リアブレーキ調整ナットを時計回りに動かすと遊び幅が「狭く」なり、反時計回りに動かすと遊び幅が「広く」なります。
以上で全ての作業が終了しました。
スーパーカブのスプロケットを交換した感想
それで実際に取り付けて数百キロ以上走行した感想なんですが、個人的にはもう最初から「15Tが標準装備で良い」と思いました。
ハッキリ言って「14T」と比べて快適さが段違いですね。特に「2~3速」が本当に使いやすくなりました。また、取り付け前に気にしていた坂道も全然問題ありませんでした。
それとあまり大きな声では言えませんが、「60km/h以上」出した時の安定感も全然違います。
ただスピードは出やすくなりますが、JA44の「ブレーキ性能」を考えるとスピードの出し過ぎには気を付けてください。実際に流れの速い大きな道路をはちぇじゅう~きょうじゅうキロぐらいで走行していても、走行中より止まる時の方が神経使いますからね汗
ちなみに「100km/h」までは普通に出せそうな感じはしましたが、走行中に車体がバタバタしだし「I can fly !」しそうな予感がプンプンしたのですぐにアクセルを戻しました笑
ただしこれはあくまでも参考になればと思い「試験的」に行ったので、良い子の皆さんは危ないので決して真似をしては駄目ですよ…(^^;)
またドライブスプロケットだけではなく「ドリブンスプロケット」も合わせて交換することで、更に色々と走り方のバリエーションが広がるので、色々試しながら「理想のスプロケット」を模索してみてください。
それでは以上で「スーパーカブのスプロケットを交換する方法」の紹介は終わりとなります。
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