最低限やっておきたい点検作業
こんにちはchessinuです。
自分が乗っているバイクの仕組みや構造についてある程度理解しておく必要があります。
ただしバイクには様々な「メンテナンス作業(整備作業)」があるので、一体何から手を付ければ良いのか分かりにくいのですが、そういう場合には「オーナーズマニュアル(OWNER’S MANUAL)」に載っている点検項目を参考にしてみると良いと思います。
ということで今回の記事では、GB350(GB350S)のオーナーズマニュアルに記載されている「最低限自分でやっておくべきメンテナンス作業」について紹介をしています。
メンテナンス項目
冒頭でも述べたとおり、バイク購入時に渡された「オーナーズマニュアル」に記載されている「基本的」なメンテンナンス・点検項目について紹介していきます。
ちなみにオーナーズマニュアルは【ホンダ公式HP】からも閲覧することができるので、現在手元にない方はそちらから確認してみてください。
- ドライブチェーン
- タイヤ
- エアクリーナー
- ブリーザードレーン
- ヒューズ
- バッテリー
- エンジンオイル
- ブレーキフルード
- ブレーキパッド
- ブレーキローター
- クラッチ
- スロットル
ドライブチェーン
ドライブチェーンは定期的に伸びや緩みの点検、及び清掃&注油作業を行う必要があります。
- ドライブチェーンの緩み
- ドライブチェーンの清掃&注油
ドライブチェーンの緩み
ドライブチェーンの「調整時期」に関しては、特にコレと言った「明確な決まり」があるわけではないのですが、一般的には「走行距離1,000km~2,000km毎」にドライブチェーンの緩みを「25-35mm」の間で調整します。
またドライブチェーンの「交換時期」に関しても、日頃の乗り方やメンテナンスの仕方で全く変わってくるので一概には言えませんが、一般的にはシールチェーンの交換目安は「走行距離15,000~20,000km」ぐらいと言われています。
その他の交換時期の目安としては、ドライブチェーンの調整後にスイングアームの後端部分が「レッドゾーン」に入っている場合には、新しいドライブチェーンへの交換が必要だとサービスマニュアルに記載されていました。
なおGB350(GB350S)のドライブチェーン調整方法に関しては別の記事で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしながら作業を行ってみてください。
ドライブチェーンの清掃&注油
ドライブチェーンの清掃&注油時期に関しても明確に決まりはなく、一般的には「走行距離500km毎」または「強雨天走行時」に作業を行えば良いと言われています。
なおGB350のドライブチェーンへの清掃&注油に関しては別の記事で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしながら作業を行ってみてください。
タイヤ
定期的にタイヤの空気圧や損傷などの点検を行う必要があります。
- タイヤの空気圧の点検
- タイヤの損傷や減り具合の点検
タイヤの空気圧の点検
タイヤの空気圧の点検時期に関しての明確な決まりはありませんが、基本的に「1ヶ月に1回」または「中長距離ツーリングの前後」には必ず行った方が良いと思います。
また空気圧を点検するタイミングとしては、走行前のタイヤが冷えている「冷間時」に行うのが一般的とされています。
なお設定する空気圧の値は、1名乗車時の場合は「前輪200kPa」&「後輪200kPa」で、2名乗車時の場合は「前輪200kPa」で「後輪225kPa」となっています。
GB350の空気圧調整方法に関しては別の記事で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしながら作業を行ってみてください。
タイヤの損傷や減り具合の点検
定期的にタイヤの亀裂やひび割れなどの「損傷」、及び釘などの「異物」が刺さっていないかをチェックする必要があります。
またその際にタイヤの「消耗具合」も一緒に確認しておき、もし消耗が激しい場合には新しいタイヤに「交換」する必要があります。
なお消耗具合の目安としてタイヤに「ウェアインジケーター(スリップサイン)」があるので、それを基準にして溝の深さを確認し、もしこの「スリップサイン」が現れている場合には直ちにタイヤを新品に交換する必要があります。(画像はスリップサインの位置を示す印です)
またトレッド中央部の溝の深さが「最小残溝量」になった時にも交換する必要があり、ホンダのオーナーズマニュアルによると「前輪1.5mm」で「後輪が2.0mm」となっています。
ちなみに一般的なタイヤの交換時期の目安としては、「3~5年」または「走行距離10,000~20,000km」と言われています。
エアクリーナー
GB350にはろ紙にオイルを含ませた「ビスカス式」のエアクリーナーエレメントを使用しているので、点検や清掃は「不要」ですが、定期的な交換が必要と記載されています。
- エアクリーナーエレメントの交換
エアクリーナーエレメントの交換
車体右側のサイドカバー内にある、エアクリーナーカバーを外すとエアクリーナーエレメントがあります。
先ほど紹介したとおりGB350のエアクリーナーエレメントは「ビスカス式」を採用しており、オイルを染み込ませているろ紙によって、空気に混じったゴミを「ろ過」しています。
それでこのビスカス式のエアクリーナーエレメントの「交換時期」に関しては、ホンダのオーナーズマニュアルによると「約40,000km毎」となっていますが、汚れや損傷が激しい場合には距離に関係なく交換する必要があります。
ブリーザードレーン
ブリーザードレーンはシリンダーとピストンの隙間から漏れた「燃焼ガス(ブローバイガス)」が液化した物を溜めておくための装置で、エンジンの性能を維持するためには定期的(1年に1回程度)な「清掃」が必要となります。
- ブリーザードレーンホースの清掃
ブリーザードレーンホースの清掃方法
まず始めにブリーザードレーンプラグの下に受け皿を置きます。
次にペンチやプライヤーで「クリップ」を挟んで上の方にズラします。
そして先端にあるブリーザードレーンプラグを外します。
ブリーザードレーンホース内にカーボンなどの「堆積物」が有る場合には取り除いておきます。
ブリーザードレーンホースの清掃作業が終わったら、ブリーザードレーンプラグをホースに差し込み、上にズラしておいたクリップを元の状態に戻しておきます。
ヒューズ
車体の電気回路はヒューズによって「保護」されており、もしヒューズを確認して切れている場合には「指定容量」のヒューズと交換する必要があります。
- ヒューズ点検と交換
- メインヒューズ
- バッテリーボックス内のヒューズ
ヒューズ点検と交換
ヒューズの点検作業前に必ずメインスイッチを「OFF」にします。
そしてヒューズプーラーでヒューズを一つ一つ丁寧に取り外し、中の「ヒューズエレメント」が切れていないかどうかを確認していきます。(ヒューズプーラーはシート裏の工具入れにあります)
なお交換する際の注意点としては、必ず「指定容量」のヒューズを使用します。もし指定容量を超えるヒューズを使用してしまうと、配線の「過熱焼損」の原因になり大変危険です。
ちなみにヒューズの容量に関しては、メインヒューズ「30A」でその他のヒューズが「20A」と「10A」と「7.5A」になっています。
メインヒューズは車体左側のサイドカバーを外し、スターターマグネチックスイッチの赤いカプラを外すと中にあります。
その他のヒューズはシート下の「ヒューズボックス」の中にあります。
なおメインヒューズとその他のヒューズにはそれぞれ「スペア」のヒューズが用意されているので、もしヒューズエレメントが切れた場合にはそちらを利用することになります。
バッテリー
GB350は「メンテナンスフリーバッテリー(MFバッテリー)」を使用しているため、バッテリー液の点検や補給は必要はありません。
なのでバッテリーの「ターミナル部」に汚れや腐食が有る場合のみ清掃します。
- バッテリーの取り外し方
- ターミナル部の清掃
バッテリーの取り外し方
まずメインキーをOFFにしてバッテリーの「マイナス端子」のボルトを外し、次に赤色のターミナルカバーをめくって「プラス端子」のボルトを外します。(必ずマイナス端子から外す)
続いて2本のバッテリホルダーボルトを外し、「バッテリーホルダー」を取り外します。
バッテリーホルダーを外したら、後はバッテリーを手前に引っ張り出すだけです。
ターミナル部の清掃
バッテリーのターミナル部が腐食して白い粉が出ている場合には、ぬるま湯を注いで拭いてやります。なおターミナル部の腐食が「激しい場合」には、ワイヤーブラシまたはサンドペーパーで磨いてやります。
今回は特に目立った汚れや腐食はなかったので、軽く拭いてから元の状態に戻しておきました。
エンジンオイル
エンジンオイルの量が適正値であるかどうかを点検します。
- エンジンオイル量の点検
エンジンオイル量の点検
エンジンオイル量の点検は以下の手順で行います。
- 3~5分ほどアイドリング
- エンジンを止め2~3分間待つ
- オイルレベルゲージを外す
- オイルレベルゲージを差し込む
- オイルレベルゲージを確認する
まずセンタースタンドを立てた状態で「3~5分」ほどアイドリングを行い、その後エンジンを止め更に「2~3分」ほど待機します。
そしてオイルレベルゲージを外し、布やウエスなどでオイルを拭き取った後に再度差し込みます。この際の注意点としては、オイルレベルゲージをねじ込まずに差し込むだけにします。
そしてオイルレベルゲージを再度外し、エンジンオイルがオイルレベルゲージの上限と下限の間にあることを確認します。
なおエンジンオイルの量は規定量より多くても少なくてもエンジンに対して「悪影響」を及ぼすので、必ずメーカー側から指定されている規定量を守らなければなりません。
エンジンオイルとオイルフィルターの交換
エンジンオイルとオイルフィルターの交換方法に関しては別の記事で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしながら作業を行ってみてください。
ブレーキフルード
前後のブレーキリザーバータンクの液面を点検します。
- ブレーキリザーバータンクの液面の点検
ブレーキリザーバータンクの液面の点検
まず足場のしっかりとした「平坦地」にメインスタンドを立て、フロントブレーキリザーバータンク上面を水平にします。
そしてフロントブレーキリザーバータンクの液面が、点検窓の「下限(LWR)以上」にあることを確認します。
リアブレーキリザーバータンクの液面の点検
まず足場のしっかりとした平坦地にメインスタンドを立て、リアブレーキリザーバータンク上面を水平にします。
そしてリアブレーキリザーバータンクの液面が、点検窓の「上限(UPPER)と下限(LOWER)の間」にあることを確認します。
異常がある場合
ブレーキリザーバータンクの液面が「下限以下」の場合や、ブレーキレバーとブレーキペダルの「遊びが大きい時」は、ブレーキパッドの摩耗具合の確認をします。
ブレーキパッド&ブレーキローター
ブレーキパッドの「摩耗限界溝」がブレーキディスクの側面に達したら、パッドの摩耗限界なので新品と交換する必要があります。
またブレーキローターの摩耗具合も一緒に確認しておきます。
- ブレーキパッドの摩耗具合の点検
- ブレーキローターの摩耗具合の点検
ブレーキパッドの摩耗具合の点検
リアブレーキパッドを後ろから見るとこのような「縦向きの摩耗限界溝」があるので、これがディスクブレーキの側面に達したら左右のブレーキパッドを「同時」に交換する必要があります。
画像では少し見えづらいのですが、フロントブレーキパッドを前から見ると「横向きの摩耗限界溝」があるので、その摩耗限界溝の底までパッドが摩耗している場合には、左右のブレーキパッドを「同時」に交換する必要があります。
新品のブレーキパッドですが、これがいわゆる横向き型の摩耗限界溝です。
この摩耗限界溝に関しては画像で見るよりも、実際に「自分の目」で確認した方が遥かにわかりやすいので、暇な時に懐中電灯などで照らしながら覗いて確認してみてください。
ブレーキローター
ディスクブレーキローターの摩耗限界については、直接ブレーキローター本体に「MIN.TH.4mm(ミニマムシックネス)」と書いてあります。
この「ミニマムシックネス」は、ディスクブレーキローターの厚さが○mm以下になったら交換が必要と言う意味です。
ということでGB350の純正ディスクブレーキローターは「MIN.TH.4mm」なので、厚さが「4mm以下」になったら交換する必要があります。
クラッチ
クラッチレバーを握った際に「スムーズに動くかどうか」の確認や、クラッチレバーの「遊び量」が適正か点検をする必要があります。
- クラッチレバーの点検と遊び調整
クラッチの点検と遊び調整
クラッチレバーの遊び量の調整や、クラッチレバーがスムーズに動くかどうかの点検をする際には、それぞれハンドルを「真っ直ぐにした状態」と「左右に切った状態」で確認作業を行う必要があります。
またクラッチケーブルがよれていたり損傷していないかどうかも確認しておきます。
クラッチレバーの遊び量の調整方法
クラッチレバーの遊び量は「10~20mm」が適正値となっており、それを調整するにはクラッチリフタアーム側の「ロアアジャストナット」で行います。
まず始めに12mmのスパナでロックナット(赤矢印)を緩め、次に必要に応じて14mmのスパナでロアアジャストナットを回転させます。
そして遊び量が決まったら、アジャストナットを保持した状態でロックナットを「指定トルク(8.5N・m)」で締め付けます。
なお調整しても遊びが適正値にならなかったりクラッチが滑る場合には、一度クラッチを「分解」して点検する必要があるのですが、この作業に関しては購入先のホンダドリームなどのバイク屋で行ってもらうことを推奨します。
スロットル
スロットルグリップを握った際に「スムーズに動くかどうか」の確認や、スロットルグリップの「遊び量」が適正か点検をする必要があります。
- スロットルグリップの操作確認
- スロットルグリップの遊び調整
スロットルグリップの操作確認
メインキーを「OFF」にした状態でスロットルグリップを操作し、ハンドルがどの位置にあってもスロットルがスムーズに開き、またその状態から「自動的に戻るかどうか」を点検します。
もしスロットルグリップが正常に動かない場合にはスロットルケーブルの状態の確認、及びスロットルグリップハウジングに「グリス」を塗布やスロットルケーブルの交換をする必要があります。
スロットルグリップの遊び主調整
スロットルグリップの遊びの適正値は「2~6mm」となっており、調整をする際にはハンドルを「真っ直ぐにした状態」と「左右に切った状態」で作業を行う必要があります。
スロットルグリップの遊びの「主調整」は、スロットルボディ側のロアアジャスタで行います。
まず始めにロックナット(赤矢印)を緩め、次にロアアジャスタを回転させて遊びの調整をし、最後にロアアジャスタを保持したままロックナットを「指定トルク(4.5N・m)」で締め付けます。
スロットルグリップの遊び微調整
スロットルグリップの遊びの「微調整」は、スロットルグリップ側のアッパアジャスタで行います。
まずアッパアジャスタを覆っている「ブーツ」をずらし、次にロックナットを10mmのスパナで緩めます。
そしてアッパアジャスタを回転させて遊びの調整をし、最後にアッパアジャスタを保持したままロックナットを「指定トルク(3.8N・m)」で締め付けます。
終わりに
とりあえずオーナーズマニュアルに書かれていた内容を一通りまとめてみましたが、全てのメンテンナンス作業を自分でやる必要はありません。
ただし「タイヤの空気圧」に関しては、自転車用の空気入れと空気圧計があれば簡単に作業ができるので、必ず自分でやった方がいいと思います。
というのもタイヤの空気圧を適正値にしておかないと「パンク」の原因となったり、または最悪の場合だと事故を引き起こす可能性もあるからです。
それでは以上で「GB350とGB350Sのメンテンナンス作業(点検作業)方法」について紹介した記事は終わりとなります。